たのしくやろう！！

胸が痛い......。


オートバイをかすめて......

路上で喧嘩して、パトカーで連行。

警察署に....迎えに来てくれたのは.....あの人だった。
毎日...日記をつけなきゃいけなくなって.....その日記を提出するのにもつきあってくれた。

警察署に迎えに来て....おまわりさんに江戸っ子の啖呵を切ったのも...そう...あの人だった。
おかげで......一日宿泊させてもらった。

声はしゃがれてはいたが.....美空ひばりに憧れていた。
コンサートにも楽しそうに出かけていたのがいい思い出になってしまうのには早すぎるだろう。

たくあんと白飯でうまそうに食べていた。
日本茶が大好きで幼い頃は...よくお茶屋さん迄....買いにいかされたもんだ。

化粧をとると...眉毛がなくて....小さい時は怖かったのが記憶に残っている。

今じゃ....鼻から管が入り.....呼吸器をつけ....右足には管が。

両手には手袋みたいなもんをされていて。

もちろん....しゃべる事も....かすかに聞き取れる声にただ、ただ少しばかりの反応をするのみだった。

全身にガンという.....馬鹿野郎が住み込みをしてるらしく。
モルヒネちゅ〜〜これまた馬鹿やろうに...お世話になってるためだろう。

おやじも３年前に脳梗塞で向こうの世界へいっちまった。
たった一人の兄弟もいるが......いまは...わけあって....。

自分には今...一人息子がいる。
そう....かなり迷惑をかけすぎてしまった....女房もいる。
通常なら.....とっくに離ればなれになっていてもおかしくない状況を乗り越えてくれた、今は一番大切な女性だ。

若い頃にも負けず...大いに一人だけの楽しい時間を費やしすぎた....報いなのかもしれないとも思う様になった。

遊び人には...遊び人の...ルールがあると....ある先輩から....教えてもらった。

どのように、息子に伝えられたのだろうか？
もう２５歳になる息子と.....その未来のお嫁さんの
そして...自分の一番大切な女房の健康だけが心配な..今日3月１４日。

最後にあの病院の....６２０号室には....最後のさよならを告げて来た。

風の知らせが伝えてくれるだろう。

いつからか.....こう考えられる様になった。

宇宙レベルで考えりゃ....たいした問題じゃないと。

くやしさも...まぎれるだろう。